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生産ラインの検査の話

品質保証部の行う出荷検査はラインでの検査より複雑な検査を行います。
不良が発生すると程度に応じて微欠(微細な欠陥)、軽欠(軽い欠陥)、重欠(重大な欠陥)の3段階に分けて不良対策依頼書が製造部に発行されます。
そして重欠と軽欠3つ以上の場合、出荷停止が行われます。

良くある重欠(じゅうけつ)として異物混入があげられます。(略してイブコン)
特に怖いのがビスなどの金属部品の製品内落下です。
これは電流の流れる基板上のパターンやランドに触れた場合、火災を引き起こす可能性があります。
生産ラインでは作業者がうっかり製品に異物を落下させてタクト時間内に取り除けない場合、不良品としてライン外に置かれ修理マンが処理します。
しかし作業者本人が気が付かない場合や申告しない場合、そのままライン上を流れます。
CA検査で製品の傾け試験があるのですが、ビスが挟まって動かない場合やライン上の騒音でビスの転がる音が聴こえない場合発見されません。

出荷検査は騒音対策した場所で念入りに叩いて90度傾け試験が行われますのでまず見逃しません。

出荷停止となったラインでのその日の生産した製品を出荷させることは出来ません。
ですが、実際出荷をやめると言うことは諸々の事情で無理です。
そのためには全数検査(ゼンケン)が行われます。
生産ラインを止めることなくCA検査前に異物混入専門検査要員が張り付いて、製品を頭上に持ち上げ振るという検査が行われます。
これは力の有る男性が行います。

また、既に梱包を終えた製品を開けて(開梱カイコン)製品を取り出し、頭上で振る、その後箱に戻しテープを張ると言う見直しラインが作られます。
皆さんは新品を購入したのに一度張ったテープをカッターで切り、さらにその上にテープを張った製品を買ったことがあるかもしれません。
それは、出荷検査とこのような事情によって発生します。

生産の終了する夕方、このゼンケンが発生すると悲惨です。
ほぼ一日分の生産数のカイコンをしなければならないからです。
もうトラックに積み込まれた製品も降ろさないといけません。
トラックの運転手もイライラしてゼンケンの終えるのを見守ります。

しかしゼンケンで新たに不良品が見つかるかといえばそうでもありません。
全くなかったと言うことがザラにあります。
出荷検査に選ばれる人間の不思議としか言いようの無い能力に驚かされます。
数百分の一と言う確率でそういう不良品を引き当てるのです。
彼の彼女のそういう能力を誰も喜びません。
建前では一台不良品が市場に出なかったことを喜び彼や彼女に感謝しなければいけないのですが・・・


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Posted by オーディオ研究所 所長 | - -
オーディオ研究所
所長  佐藤 彰
みなさんこんにちは。
オーディオ研究所 所長の佐藤 彰です。

オーディオ機器の修理やオリジナル部品の開発をしています。
中学の頃からスピーカーを自作したりして、オーディオ人生まっしぐらです。
修理の話、音楽の話、以前に勤めていたオーディオメーカーでの話などいろいろ載せています。
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